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不安な日々を過ごしてる最中、一子さんが3月に書き溜めた日記をZINEにして販売するとなり、うれしい気持ちというより安定剤を求めるような気持ちで購入。コンコ堂さんの通販で購入しようと思ってたところ、あっという間に完売してしまい、慌てて在庫のあるオンラインショップを探し、京都のメリーゴーランドという本屋さんから購入。数日後、「本が日々の彩りになりますように!」というメモといっしょにZINEが届く。さらにメリーゴーランド新聞という手書きのお便りもついており、捨てることができなかった。作中にもこの本屋さんが出てきたこともあり、京都に行く際にはぜひお邪魔したい。3月というと私にとっては3年半勤めた職場の最後の1ヶ月であり、仕事の引き継ぎから新人の教育に追われた日々だった。3月前半の頃はさほどコロナのことは気にせず過ごしていたし、私も深く考えていなかった。だが3月後半になるとあっという間に状況は変わった。職場の子たちとしていたご飯の約束に「本当に集まるの?」という子もいたし、「行けなくなりました」と当日になって断る子もいた。当然だと思うし、私から集まるのはやめようとも言い出せず、結果少人数でほんの少しの時間集まることにした。それでもやはり後ろめたさはあり、複雑な気持ちのまま仕事を終えた。自粛という言葉にもSNSにも疲れ、いつまで続くかもわからない生活に不安も尽きない。本当なら仕事を終えた4月頭に岐阜に行く予定だった。今年のはじめ4年ぶりにあった友人から、仕事で使う写真を撮ってほしいと依頼された。私としてはそんなこと初めてだったのでその話を聞いたときはとてもうれしく快く引き受けた。日程のギリギリまで迷ったが、やはり東京の感染者数が増えたのきっかけに延期にしてもらうことにした。必ずやるとは伝えたものの本当にできる日が来るのかもわからない。4月新しい仕事が決まったが自宅待機。実質無職に変わりない。何かできることはないかとスーパーの面接にも行ったが、長期できないということもあり不採用となった。最近はこんな日々に諦め、この生活にも飽きてしまうようにもなった。昨年ABFで購入した一子さんのZINEをまだ読んでいなかったので、これを機に読むと昨年の4月の日記が書かれていた。最後の一文が4月30日の年号の変わった瞬間だった。「平成から令和へ、ちょっとした年越しのような気持ちだったが、一瞬でいつもの日常に戻った。」この一文を読んだとき思わず涙が出そうになった。スーパーからの帰り道、ふとこの先のこと、仕事のこと、お金のこと、本当は何が不安なのかと考えたとき、日常がなくなったことが不安なのだと気付いた。今でも自分にできることは小さなことで今やってるお届けものだって本当に必要かと言われると不要なのかもしれない。それでも時間は経ち、日々は続く。改めてそう思うことができ、この日々を忘れないようにしようと思った。