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小学生の頃通信簿に「クラスで目立つことはありませんが」と書かれていたのを今でも覚えてる。教室にいる時はいつもはじっこ、いじめられるわけでもなく、目立つわけでもない、それが私だった。

勉強ができるわけでもなく、運動ができるわけでもない。絵がうまいわけでもなく、歌がうまいわけでもない。

何も持っていない、それが私だった。

 

小学生の頃、放課後になって「あれ?○○ちゃん今日休みだったんだ、気付かなかった」というやりとりを見てから、自分が休んだりしたら絶対に気付かれないと思った。嫌われるのも怖かったけど、忘れられる方がずっと怖かった。自分が休みのときに悪口を言ってたらどうしよう、次学校に来たときに誰も覚えてなかったらどうしよう。そんなありもしないことを考え続けて学生の頃は小学校4年生から中学校、高校、専門学校までの11年間こわくて一度も学校を休まなかった。

学校が好きではなかった。最後まで私は目立つことのない存在だった。それが私だった。