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ちょっとしたことで傷付くくせに、人の悪口は止まらなくて、愛想笑いが下手くそで、人のことでは泣けない。自分の姿を鏡で見るのが嫌なくらい自分のことが嫌いなはずなのに、すぐに自分のことで泣いてしまう私の中にいる自分は自分がかわいくて仕方ないのかと思うと反吐が出る。

私は私をやめたいのに私は私をやめれなくて、鏡に映る姿を見る度、自分の名前を呼ばれる度、これは誰なんだろう、これは誰の人生なんだろうと思う。

顔も声も全部私のものではないと思いたい。

生まれ変わったらまた自分になりたいなんて思えない。

 

でも写真を撮ってるときだけは私でいられる気がする。写真は自分で選択してシャッターを押す。その瞬間だけ私は私でいられる。

写真が私をつくって変えてくれた。でも本当は人に出会って変われたのだと思う。と言ってもたいして変われてないけれど、私は出会えてよかったと思えてる。

私が私でなくなっても、私が撮った写真は残ってたらいいな。