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2011年3月、22歳のときに上京した。
3月11日
私は地元の花屋で働いていた。水切りをしてる最中、突如目眩のようなものが襲い、倒れそうなったが、バケツの水面が揺れているのに気付き、目眩ではないことがわかった。
地元の花屋で2年働き、奨学金を全額返済し、上京資金を貯めた。特になりたいものがあったわけでも、夢があったわけでもない。ほとんど妹の付き添いで、私はただ私のことを知らないどこか遠くに行きたかっただけなのかもしれない。
震災の2週間後に引っ越しを控えてた。母にやめてもいいんだよと言われたけど私の中にやめるという選択肢はなかった。
忘れることはない。これから先もずっと。
「君を思って祈る」